藤枝特別支援学校高等部の生徒さん7人が来ました。私は一人一人を握手で出迎えました。私の大きな掌に臆することなく、どの子も笑顔で握りかえしてくれました。ここに来る前に「お茶の郷博物館」で抹茶をいただいてきたと先生が話してくれました。子供達は戸惑いながらも、抹茶の味とお手前を楽しんだことでしょう。とてもいい経験を先生方はさせているのだな、と嬉しく感じました。秋晴れの青空の下、お茶畑に渡る爽やかな風に揺られながら、「お茶の郷」から私の工房まで歩いて来てくれたのでした。
昼食は、芝の庭にゴザを敷き、皆で輪になって食べていました。どの子のお弁当もとても美味しそうでした。きっとそれぞれのお母さんが愛情込めて作ってくれたのでしょう。先生方の介助を得ながら、子供達はゆっくり味わいながら食べているようでした。お母さんに「ありがとう!」って言っている、そんな表情が見て取れました。やわらかな木漏れ日が子供達を照らしていました。そこだけが何故か時間がゆったりと流れている、そう私は感じました。
昼食後は土遊びです。コップ、お皿、粘土の小さな塊を貼り合わせたオブジェなどが出来上がりました。作品が出来上がったところで、私が「オーッ!」と叫びながらコブシを上げると、一緒になってガッツポーズをする子もいました。型を壊すほど力強く粘土を叩く子もいました。元気があっていいなあと思いました。
この子達にとって日々和やかでありますようにと祈りながら、そして心でエールを送りながら私は彼らを見送りました。

今日は本当に次から次へと人が訪れました。子供達の陶芸を終え、庭で妻が作った人参ケーキを皆で食べていると、オカリナをこよなく愛する増本さんが来ました。彼にお願いしてオカリナで「となりのトトロ」を奏してもらいました。私もハーモニカで伴奏しました。子供達にいいプレゼントになったのではないでしょうか。その後、今日の陶芸教室の生徒さんである加藤さんが見えました。彼はケーナやオカリナを粘土で作るために私の工房に来ている方です。
とまもなくやってきたのは、富安秀行さんです。彼は全国を飛び回っているミュージシャンです。7月5日の工房オープン記念でホームコンサートをやっていただいた方です。静岡でコンサートをやり、その帰りに立ち寄ってくれたのです。穏やかな口調の中にも音楽に対する情熱を秘めた方です。
またまた工房に顔を出したのは、「団塊ドリーマー」さんこと鈴木久雄さんです。今年退職したばかりの鈴木さんは、「リアル野球盤」なるゲームを開発し、福祉施設や老人会などで、ボランティアとしてこのゲームを普及させようと動き回っている方です。その彼が同じ職場で働いていたという斉藤さんを伴って訪れました。斉藤さんも既に定年を迎え、再び嘱託で働いているとおっしゃっていました。彼は、水墨画を趣味として始め、表装の技術も修得し、今やプロ級の腕前とか。お客さんも出来て注文も受けているそうです。そんな彼も、いずれ陶芸をやってみたいということを話していました。
入れ替わりに今度は夫婦が孫を連れてやってきました。工房がどんなところか見に来てくれたのです。
早期退職し、不安を抱えながら新たな船出をした私にとって、こうした人たちとの出会いと交流は何よりの励みになります。私には持ち合わせていない何かを彼らの中に見ることができるからです。それは大きな喜びでもあります。
富安さんと増本さん 頭にタオルを巻いて粘土をこねているのは加藤さん

最近のコメント